ふりーだむなぶろぐ

梅はいいぞ。

【人狼将棋】人狼将棋の個人的攻略と所感【名人 レート10000】

 お久しぶりです。Freedumeです。今回は2020/12/8にリリースした人狼将棋の個人的攻略と所感を語っていきたいと思います。

※注 リリースしてから数日時点での所感であるため、間違っている点や参考にならない点もあるかもしれませんが、ご容赦頂ければ幸いです。

 

[概要]

QuizKnock(クイズノック)発の新ゲーム、「人狼将棋」。中身は軍人将棋と動物将棋を組み合わせたようなもの。よく似たゲームにドイツの傑作ボードゲームである「ガイスター」があるが、駒一つ一つの動きが違うことや、相手の持ち駒を覚える必要があることからこちらの方がやや難しいか。

www.youtube.com

人狼将棋

人狼将棋

  • 株式会社baton
  • Games
  • Free

apps.apple.com

play.google.com

 

[それぞれの駒の所感]

 早速コマ配置に...と行きたい所ですが、一度駒ごとの所感について軽く述べたいと思います。忙しい人はここを読み飛ばしても構いません。

 

・王様

前列適正☆

後列適正☆☆☆☆☆

我らが王様。駒の動きとしては最も優秀であり、前列に配置すれば数の勝負で負けることはあまりないだろう。しかし当然取られたら負けなので基本は後列推奨。余談だが王様を前列配置している相手に三手で勝ったことがある(使用時間3秒)。

 

人狼(裏・表)

前列適正☆☆☆☆

後列適正☆☆☆☆

このゲームのキモであり、常に勝負について回る駒。私は以前は前列に配置していたが、3段目に出たあとの使い方が難しいため現在では後列において囮として使っている。裏の状態で人狼だと看破されると一転して邪魔駒になるので扱いは慎重に。複数枚持ち駒がある状態で人狼を入手できれば、持ち駒の数だけ相手に二択を迫れるので非常に強力。逆に言えば人狼を渡さなければ打たれた駒は基本取ってOKとなる。

 

 

・占い師

前列適正☆☆☆☆☆

後列適正☆

どんな駒だろうと安全に取れる優秀な駒。前列に置く以外の選択肢は非推奨。後手番の時に33%の確率で二枚替えできるという強みは捨て去るべきではない。終盤では相手の人狼がバレバレでこちらの陣地に幽閉されていることも多く、そうなると占い師は実質村人になったりする。

 

・騎士

前列適正☆☆☆

後列適正☆☆

持ち駒になってから本領を発揮する駒。打てる駒の中では唯一横の駒を取れるので、終盤の寄せではとても頼りになる。初期配置の話をすると、一応駒の動き的には前列に出す方が強いと思うが、交換になって相手の持ち駒となった時にこちらが辛くなるという問題がある。なので私は相手に渡りづらい後列に配置する方がいいかなと考えている。後列配置した影響か、悲しいことに一回も動かず対局が終わることもあり、6種類の駒の中では最も影が薄い。配色も灰色だし丁度いいね

 

・狩人

前列適正☆☆☆☆☆

後列適正☆☆☆☆

斜めのコマを取れる優秀な駒。基本は前列で使いたいが、後列でも騎士よりは活用しやすい。前方に動けないので村人や占い師と交換になることが多く、序盤でお互いの持ち駒になってる展開もよく見る。また複数持ち駒がある時に相手の王様の頭に狩人を打ち、村人を打たれたと勘違いした相手が横に逃げて自ら狩人の利き入ってくるという引っ掛けがあり、読み違えると一瞬で負けてしまうので気を付けよう。

 

・村人

前列適正☆☆☆☆☆

後列適正☆☆

相手に渡ってもそこまで痛くない使い勝手の良い駒。駒がぶつかりやすい前列に置きたい。このゲームには二歩という概念がないので村人に村人を重ねることが可能で、またゲーム内に二枚しかないことから将棋の歩と比べて村人の価値は相対的に向上していると言える。まあ一番安い駒には変わりないんですけどね。

 

[コマ配置]

では本題であるコマ配置に移っていきましょう。現在私が使用している駒配置がこちら。

f:id:Freedume:20201210022305j:plain

 まず前列についてポイントですが

①前列に占い師がいるため後手番の際33%の確率で駒得できる。

②1手目or2手目に村人を突くことで、運悪く相手の占い師に前に出てしまう33%を引いても犠牲が抑えられる

 というメリットがあります。

 ①に関しては言わずもがなですが、②に関しては運負けした際に相手に渡る駒が弱くなるというのが狙いです。人狼+村人を渡すより、狩人+村人を渡す方がまだ戦えると考えています。現在多く見られる前列中央に狩人or人狼を置き、端に占い師と村人を置く形に対して先手番でも若干の抵抗力があります。

 次に後列についてですが、それぞれ理由があるので、順番に解説していきます。

 村人の下に騎士を置く理由ですが、初手村人突き→同村人or占い師→同狩人→同狩人→騎士を前進→相手の狩人が後退→中央に村人or占い師と指すことで、相手の狩人が捕獲できます。

 次に狩人の下に王様を置く理由ですが、中央に人狼を置く形と比べて安定感が違います。中央に王様がいることで、相手の駒の打ち込みの隙を無くす狙いです。将棋でいうと、アヒル戦法や中住まいのような感じです。

 最後に占い師の下に人狼を置く理由ですが、これは消去法です。人狼を中央後列においた場合、狩人っぽく斜めに動いて相手を惑わすというメリットが発生しますが、初手からの手順的に中央の狩人は即バレしやすいため、そのメリットが活かされづらいと考えました。また前述の通り村人の下には騎士を置きたいので、最後に残った占い師の下に配置することになりました。

 初手からの指し手ですが、

 先手番では村人突き→同村人or占い師→同狩人→同狩人→騎士を前進→相手の狩人が後退→中央に村人or占い師という上述の進行をします。正直不利な感じは否めませんが、後手番圧倒的有利なため仕方ないです。ある程度の損は割り切って指しましょう。

初手から7手目までの手順(実戦譜)

f:id:Freedume:20201210040435j:plainf:id:Freedume:20201210040447j:plainf:id:Freedume:20201210040456j:plainf:id:Freedume:20201210040504j:plainf:id:Freedume:20201210040513j:plainf:id:Freedume:20201210040521j:plainf:id:Freedume:20201210040529j:plain

 

 後手番では基本村人突きで、占い師の前に相手の駒が来た or 村人の前に駒が来て動かせないという場合のみ占い師突きをします。占い師突きに対して同村人or同占い師とされた場合でも、村人突きと同じ上述の進行で大丈夫です。人狼を前進させても相手の狩人は取れませんが、相手からは人狼が前進してきたと判別できないため十中八九引いてくるからです。

 この配置を用いて私が敗北した対局は全て読み負けに起因するものだったので、とりあえずこの配置を使えば配置時点で敗色濃厚、といった事態は避けられると思います。今後流行の変遷や新配置の確立等で廃れるかもしれませんが、基本形としてこの配置が残ってくれれば幸いです。

 

 追記:として以前の形も軽く紹介します。

f:id:Freedume:20201210063832j:plain

 構想としては先手では人狼を村人の前に出し、次に狩人か騎士を動かして相手の出方を見ます。後手では相手の動いた場所以外に人狼を動かし、その後出方を見るというものです。

 ゲームを始めた当初は、「人狼は取られることで能力を発揮する駒だから、人狼が最も取られやすい行動をするのが強い」と考えていました。なので初手で人狼を動かすために人狼は前列配置、そして残った前列の2つには前列適正の高い村人と占い師を配置することが正解だと信じて疑いませんでした。しかしながら、この構想にはある欠陥がありました。

 そう、この構想の欠陥として、初手で動いた駒は人狼と疑われ相手されなくなるというものがあります。これはRが上位に行くほどその傾向が強く、村人の前に動かした人狼が重しになって動きづらくなり、中終盤に不利な読み合いを迫られることに気付きました。

 たまに高度な読みor不慣れな方が人狼を占い師以外で取ってしまい作戦勝ちするおかげで、この欠陥に目を向けるまで結構時間がかかってしまいました。相手が順当に指してきた場合は普通に不利になってしまうので、奇襲戦法としても使いづらくパッとしない形です。

  私は人狼を前列配置すること自体はなんら問題ないと思いますが、初手で人狼を、特に斜めに動かすのは中終盤に苦しい読み合いを迫られるのでやめた方が無難だと思います。

 

[棋譜紹介]

私の個人的会心譜を紹介します。忙しい人、他人の棋譜に興味がない人は読み飛ばしてもらって構いません。

対戦相手はななしさんで、レート8800の強者でした。私が先手番、ななしさんが後手番です。

f:id:Freedume:20201210191407j:plain

初期配置。同型対決だった。7手目までは上述の解説通りの進行なので解説を省略。

f:id:Freedume:20201210191418j:plainf:id:Freedume:20201210191435j:plainf:id:Freedume:20201210191511j:plainf:id:Freedume:20201210191538j:plainf:id:Freedume:20201210191549j:plainf:id:Freedume:20201210191615j:plain

f:id:Freedume:20201210191634j:plain

8手目に相手が持ち駒(村人)を打ってきた。とりあえず占い師で狩人を取り込んでから考える。

f:id:Freedume:20201210191644j:plainf:id:Freedume:20201210191658j:plain

占い師が真っ直ぐ上がった駒で取られた。仮にこれが騎士or村人だった場合、相手の打ち込んだ駒が浮いているのでそれを取る。

f:id:Freedume:20201210191707j:plainf:id:Freedume:20201210191718j:plain

騎士が取られた。この時点で相手の王様の位置が判明。この駒に攻めの焦点を当てていく。

f:id:Freedume:20201210191731j:plainf:id:Freedume:20201210191739j:plain

13手目の王様上がりは勝負手。同王様と取られれば敗北だが、この時点ではこの駒が人狼か王様か判断ができない。50%で敗北する読み合いを避けた相手は後退。

f:id:Freedume:20201210191747j:plainf:id:Freedume:20201210191756j:plain

ここで村人を打って追撃。中央に王様がいる形は非常に安定していて、相手の王様をこちらが追う形を作れたので、駒損はしているもののまだ勝ち目はある。相手は同じく読み合いを避けて後退。安全策ではあるが王様が狭くなっていく。

f:id:Freedume:20201210191807j:plainf:id:Freedume:20201210191819j:plain

すかさず王様を斜めに前進。この動きで人狼と誤認してくれることを狙っている。この時点で相手はこの駒が王様or人狼で読み勝たないと敗北する状況を作れており、なんとか形勢五分まで持ってこれた。そして相手は中央に駒を寄せてきた。狩人がお互い手持ちにいるため、この相手の駒は人狼だと分かる。

f:id:Freedume:20201210191827j:plainf:id:Freedume:20201210191837j:plain

構わず王様で突進。この時わざと30秒程度時間を使って指した。この場面では王様を進める以外ほぼ選択肢が無いが、長考を装うことで相手に「人狼だから打開が難しく悩んでいる」と思わせる狙いがある。そのおかげか相手はノータイムで持ち駒(占い師)を打ってきた。

f:id:Freedume:20201210191846j:plain

無事王様をとって勝利。先手番で序盤に駒損をする苦しい展開ながらも何とか読み合いを制して逆転できた。対戦ありがとうございました。
このように不利な状況でも王様と人狼の二択勝負でワンチャン逆転が狙えるということが分かった。このゲームの面白さ、奥深さが伝わってくれれば幸いである。

 

[感想など]

←旧型コマ配置   新型コマ配置→

f:id:Freedume:20201210062038j:plainf:id:Freedume:20201210062025j:plain

 とりあえず100局指して、勝率は84%でした。以前使っていた旧型のコマ配置では勝率8割程度で推移してましたが、上記の定跡を考えてからは32勝2敗勝率94%と非常に高い成績を残すことができました。レートに関してですが、私が対戦した限り(2020/12/10時点)ではレート8800が最高で、レート3000以上は10戦に1度当たるか否かというぐらいでした。レート3000ともなると流石に手強く、読み勝ちで紙一重や、読み負けで一歩及ばず、という展開も多く大変楽しめました。因みに名前の由来は将棋の戦法からです。

 f:id:Freedume:20201210235237j:plain

 追記:レート10000までやりました。新配置後は勝率90%以上を保てたので、実戦的に安定する配置だと言って差し支えないと思います。ただ勝率95%以上は私には厳しそうです。単純な読み負けを0にすることは私にはできませんし、王様前列奇襲形にやられることもちょくちょくあるからです。王様奇襲形の方は警戒すればほぼほぼ勝てると思うのですが、あまりに警戒すると一般的な人狼前列形の勝率が落ちてしまうと思うので、勝率90%が私の限界だと感じました。

 盤駒を減らしたり小さくしたりと簡略化した影響で明確に後手番有利になっているという欠点はありますが、それでも読みとブラフで十分逆転できるレベルの差なので、とてもよく出来たゲームだと思います。また初心者対経験者でも読み合いや配置次第で初心者が勝利することや、人により初期配置で個性が出せることなども評価できます。将棋をやったことがある人や、また将棋未経験でもブラフや読み合いが好きな人には是非ともやってもらいたい良アプリです。

  また個人的に相手の裏向きの駒にタグを付けるような機能があれば便利かなと思いました。ある程度将棋に慣れている人ならそこまで問題ではないですが、将棋未経験の方が裏向きの駒の動きを覚えておくのは結構難しいと思うので、ある程度目星が付いた駒には忘れないうちにタグを付けられたら便利だと思います。ただこれには「頭を使ってゲームで遊ぶ」の頭を使う部分を簡略化するものなのでゲーム性を損ねる危険があり、実装されなくてもしょうがないかな...とも思います。

 もう一つの機能案ですが、ランダム配置の機能があれば嬉しいです。ある程度定跡が煮詰まってゲームとして膠着してからで問題ないですが、ランダム配置同士で対局し行き当たりばったりの中与えられた配置で最善を尽くす...みたいなゲームもやってみたいです。がっつり遊ぶ人や自分の新配置を試したい人は通常の対局、ライトに遊びたい人やあまりにやり込み過ぎて飽きてしまった人向けにランダム配置対戦が実装されればゲームとしてより私が楽しめるものになると思います。

 いずれにせよ、個人的2020年流行ってほしいゲームランキング1位はこのゲームに決まりです。流行れ~流行れ~